今年5月に自分の肩書を商標登録しようと思い、商標登録の申請をサポートしてくれるというINPITでお願いして書類の書き方を教えてもらって提出しました。
しかし、結果として「拒絶通知」が届き、弁理士から「100%通らない」といわれ、商標登録自体をあきらめることになりました。
これからINPITで商標登録を相談される方に、記録として残しておきます。
商標登録を考える
商標についてはこちらをご覧ください。
先に登録した人にどこで出したかを聞いたところ、「INPIT」というところがいいというコメントを見て、一度そちらで無料相談を受けることにしました。
INPIT(インピット)とは…
47都道府県に設置している地域密着型の相談窓口です。
特許庁ウェブサイトより引用
中小企業をはじめとした皆さまの経営課題解決に向け、技術・アイデアなど、“知財”の側面から支援を行っています。
こちらには、「知財総合支援窓口」があるそうで、窓口担当者(ケースに応じて弁理士も)が、商標や特許に関わることなどを無料で相談に乗ってくれるとのこと。
知財総合支援窓口について詳しい説明はこちら↓
オンライン相談ですすめることに
INPITの相談員の方と最初のヒアリングから、提出まですべてオンライン面談で進めて、思っていた以上にスムーズに進みました。
同じ相談員の方が最後までサポートくださって、郵便で提出してあとは結果を待つだけとなりました。
拒絶理由通知書が届く
申請を出して6か月後の11月下旬、特許庁から出した商標登録について「拒絶理由通知書」が届きました。
理由としては「サービスの名称になるから通りません」といったことが書かれていました。
以前お世話になっていた相談員の方に状況をメールで説明し、拒絶理由通知書に対する「意見書」を書くことを進められて、INPITで直接面談となりました。
当日、意見書の書き方や事例を教えてもらい、後日メールで意見書案を送り、相談員の方からも訂正いただいた意見書案をいただき、この意見書へのアドバイスをもらうため、INPITに来ている弁理士の方にも同席してもてもらうことになりました。
商標の考え方をずっと説明される
面談当日、意見書を見てもらうつもりで伺った際、今回の拒絶理由通知書をみた弁理士は、ホワイトボードで「なぜ今回商標登録をしようと思ったのか」「商標登録の考え方」を聞かれたり話されたりして、意見書の話のレベルではないことを察しました。
そしてこういわれました。
この商標は100%通りません
なぜ通らないのか丁寧に説明される中で、いろんな思いが込みあげてきて、ひどく空しくなりました。
そもそも最初の時点でわからなかったんですか?という問いに
「なぜ最初に(通らないと)わからなかったんですか?」
感情がこみあげて涙があふれながらも聞いたら、
相談員の方が
「拒絶で帰ってくると思いますと伝えましたが、山田さんの思いが強くて」といわれました。
言った言わないの話か…、と落胆し
弁理士の今後の話も頭に入らず、しまいには弁理士から
「今度商標登録を出すときは最初から私のところで相談してください」といわれ、INPITの相談員の存在の意味がないのではと、それもひどく落胆しました。
結果的に、時間をかけて今回の商標が通らない説明をわざわざ受けに行ったという、そんな状況で今回の商標登録は終わりました。
今回の件で思うこと
どんなものを出していいのか無知がゆえに今回の結果となりました。
一方で、全く何も知らない相談者に「拒絶されるかもしれないけど相談者が強く願うから」という理由でも商標登録をすすめた相談員の方には、理解ができません。
通らないという印象であれば、INPITにいる弁理士に面談をすすめて、相談者にきちんと理解を進めたうえで考える機会を作ってもよかったのではないでしょうか。
急いで出したかったわけでもなく、最初から「これでは通らない」と言われれば考え直す機会もあったであろうと思うと、時間と労力とお金をただ無駄にした残念な機会となりました。
INPITを否定しているのではありません。
無知な相談者に、「これは通らない」といった正直なアドバイスでも相談の段階でも行ってほしいと思います。そして相談員の判断が難しいなら、弁理士につないでほしいです。
今回2区分にわたっての申請と書類の電子化手数料を合わせて24000円弱の出費でした。
安い勉強料でしょうか。私はそうは思いません。
今後INPITを利用して商標登録を出す方がいれば、登録申請を出す前に弁理士の面談もお願いすることをおすすめします。
私たち相談者は、商標登録を申請することがゴールではなく、通ることが望みなのですから。
追記
今回の件を、受注先の責任者の方にお伝えしたところ、INPITの責任者へご報告いただいたそうで「相談員の対応につきましては今後改善いたします」とのご連絡をいただきました。
これから商標登録や特許を申請する人に、心から喜ばれる相談場所になることを願っております。