歯科医師スタッフも自分も探し物が結構あります…
コクヨの調査によると、平均的なビジネスパーソンは情報の検索・保管・引き継ぎに1日30分かけているそうです。
月20日稼働で計算すると月10時間、年間で120時間になります。
参考:コクヨ株式会社「書類探しは年間120時間!?ペーパーレス化で業務時短を」


これは一般のオフィスの話ですが、歯科医院はどうでしょうか?
書類だけでなく、材料、器具、バー、薬剤、記録用紙、消耗品のストック……。
扱う種類で言ったら、一般企業よりずっと多いですよね。
もし歯科の現場でも同じことが起きているとしたら、この120時間はそのまま診療時間に食い込んでいることになります。
診療中の「探す」は、オフィスの「探す」より重い


一般企業で誰かが書類を探していても、その間に業務がまるごと止まるわけではありません。
でも、歯科医院は違います。
ドクターが処置を進めながら「あれ、どこ?」という瞬間、チェアに座っている患者さんの時間も止まります。
歯科助手さんが引き出しを開け、棚を見て、「あっちでしたっけ」と動いている時間は、診療の流れが途切れている時間です。
患者さんからすれば不安な数分、スタッフからすればじわじわと積み重なるストレスです。
「なんとなくわかる場所」が一番、疲れる


探し物が多い職場に共通しているのは、「なんとなくここらへんにある」という感覚収納です。
決まった場所はあるようでない。
戻す場所は人によって微妙に違う。
補充したストックがどこかに紛れ込む。
これはスタッフの能力や注意力の問題ではなく、「戻す基準が決まっていない」ことが原因です。
どんなに丁寧なスタッフでも、基準がなければ「なんとなく」に戻っていきます。
院長が気づきにくい理由


「探しているのを見たことがない」という院長先生も多いです。
でも実際に動き回っているのは、院長が診療に集中している時間帯だったりします。
スタッフさんがさっと動いて解決しているように見えるその裏で、「また違う場所に入ってた」「補充されてない」という小さなストレスが積まれています。
スタッフが口に出さないだけで、疲弊していることは少なくありません。
仕組みを整えると、何が変わるか


「探さなくていい環境」を作るのに、大がかりな改装や新しいシステムは要りません。
引き出しを開けたときに何がどこにあるか一目でわかる状態にする。
使ったら迷わず戻せる場所を決める。補充の基準を目に見える形にする。
それだけで、スタッフの動線はずいぶん変わります。
コクヨのデータにある年間120時間の半分でも削減できれば、60時間。
スタッフ3人いれば180時間が、別のことに使える時間として戻ってきます。
診療の余裕、患者さんへの声かけ、定時退勤。そういうところに使える時間です。
まず、一か所だけ


院内全体を整えなきゃと思うと、動けなくなります。
最初は一か所だけで十分です。
いちばんよく「どこだっけ?」が起きている場所から手をつけてみてください。
毎日使う場所が整うだけで、スタッフの動きは変わります。
小さく始めて、手応えを感じながら広げていくのが、続いていく仕組みになります。
能力に任せるのではなく「皆ができる仕組み」を整える


「うちのスタッフは片付けが苦手で……」と感じる場面があるなら、それはスタッフの能力の問題ではなく、「歯科医院に適した仕組み」がまだ構築されていないだけかもしれません。
日々の診療、そして家事や育児に追われるスタッフ。
診療の合間を縫って「完璧な在庫管理」や「動線設計」まで求めるのは、負担が大きいと感じる人も少なくありません。
医療現場の動線・在庫管理・多職種共有という視点を持った専門のプロと一緒に仕組みをつくることが、スタッフの負担を減らし、医院全体がスムーズに動ける土台になります。
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