実家の片付け。
今沢山の書籍や情報が出ていますが
うまくいかず親子関係に亀裂が入ることも
少なくありません。
今回は実家の片づけを題材にした
まるでドキュメンタリーのような
本をご紹介します。

リアルすぎるその内容
嫁側から見た遺品整理を
題材にした小説、
「姑の遺品整理は、迷惑です」。
Amazonの内容紹介はこちら
姑が亡くなり、住んでいたマンションを処分することになった。
業者に頼むと高くつくからと、嫁である望登子はなんとか
自分で遺品整理をしようとするが、
「安物買いの銭失い」だった姑を恨めしく思いながら、
仕方なく片づけを始める。夫も手伝うようになったが、
さすが親子、彼も捨てられないタイプで、
誰もが経験するであろう、
遺品整理をユーモアーとペーソス溢れる筆致で描く長編小説。

・・・全片付け業界が泣いたレベル(?)の
素晴らしい作品でございます!!
出てくる言葉はいつもこれ
自分は随分整えることはできていますが
親世代とのモノの考え方の違いで
何度泣いたことか。。。
(まだ私も夫両親も元気です♪)
私「なぜ二升の寿司桶が必要なのですか?」
夫母「いつか使うかもしれないから・・・」
私「いつかってどんな時ですか?」
夫母「子供会の時に使ってて」
私「子供会は今も入っていらっしゃる?」
夫母「入ってないけど、まだ使えるじゃない」
・・・こんな会話が
ほぼすべてのモノに行われる
「いつか使えるかもしれない」
「もったいないから」
で、使われないまま
親がなくなった後
遺品整理へとなっていくわけですね。。。
何だこの量
その気持ちまで引き継ぐ
刺さる文章がてんこ盛りで
沢山紹介したいんですが、
特に刺さったのはこちら。
もったいないという気持ちまで
否応なく引き継がなきゃならないんですよ」
誰だってまだ使えるモノを処分するのは
心が痛むもの。
遺品整理をすると寝込む人がいるというのも
本当に納得する一文です。

また、
主人公が、弟嫁との会話の中で
母が遺した貴金属の行方を聞いたら
「換金しました」とのこと。
自分にとって素晴らしい母でも
同居していた弟嫁は
同じように思っていなかったことが
わかるエピソード。
魂が籠っているように思えてしまう。
その魂が自分に対して
好感を持ってくれていた人のものならいいが、
そうでなければ目にしたくなくて当然だ」。
膨大に残された遺品と向き合い
姑がかかわってきた人たちに助けられ、
自分の実家も売却されることになる寂しさ
そして、
唯一母が残したあたたかいメッセージ
映画化希望!!
立場が変われば見方も変わる
他人のモノを片付ける時、
「なぜこんなものをとってあるんだろう」
そう思うこと、ないですか?
でも、立場が変われば
私もあなたも同じように
他人から思われているかもしれないということ。
生前整理も、
自分の意志で手放すことと
他人がどんどん捨てていくのでは
その後の人生の満足度は
全く変わってくると実感した
心に残る一冊でした。

片付けに興味がある全ての人に。
「姑の遺品整理は、迷惑です」。